
ガス会社の見直しは都市ガスとプロパンで手順がまったく異なります。賃貸の場合の制約・プロパン独自の問題・都市ガス乗り換えの手順を、50代一人暮らしの目線で整理しました。
ガス代も電気と同じように乗り換えれば安くなるんじゃないか——そう思っていた時期がありました。
でも調べていくうちに、電気とガスでは話がまったく違うということがわかりました。
まず確認しなければならないのは、自分の家が都市ガスかプロパンガスかということです。この違いによって、見直しの方法が根本的に変わります。
なお、記事内の料金情報は2026年8月時点の参考値です。ガス料金は変動しますので、申し込み前に必ず各サービスの公式サイトか比較サービスで最新情報をご確認ください。
まず確認する|都市ガスとプロパンガスの根本的な違い
ガス代を見直したいとき、最初にやるべきことは自分の家がどちらのガスを使っているかを確認することです。
地中のガス管を通じて供給されます。主に都市部・市街地の建物で使われています。
ガスボンベ(プロパンガスのタンク)に充填されたガスを供給します。
ガス管が通っていない地域・郊外・農村部の建物で使われています。
- 建物の外や敷地内に銀色のガスボンベが置いてある → プロパンガス
- 検針票(ガスのご使用量のお知らせ)にLP・プロパンと記載がある → プロパンガス
- 検針票に東京ガス・大阪ガス・東邦ガス等の大手都市ガス会社名がある → 都市ガス
- 確認できない場合は管理会社・大家に問い合わせるのが確実
| 項目 | 都市ガス | プロパンガス |
|---|---|---|
| 供給方法 | ガス管(地中配管) | ボンベ(配達・設置) |
| 2017年自由化 | 対象(会社を選べる) | 元々自由料金制 |
| 乗り換えの方法 | 新都市ガス会社に申し込む | プロパンガス会社を比較・交渉 |
| 料金水準の目安 | 一般的にプロパンより低い | プロパンガスは都市ガスより料金が高くなる傾向がある |
| 補助金の対象 | 対象になる場合がある | 電気・ガス料金負担軽減支援事業の対象外 |
しっかり貯金ブタこの表を見てわかるとおり、どちらのガスかによって見直しの道筋が完全に変わります。
賃貸の場合の注意点(プロパン・都市ガス共通)
賃貸・集合住宅では、建物全体のガス供給契約を大家がまとめて結んでいるのが基本です。入居者が個別にガス会社を変えることは原則できません。
プロパンガスが高いから乗り換えたいと思っても、賃貸の場合は入居者が直接変えることができないのが現実です。ただし、何もできないわけではありません。
- 比較サービスを使って「自分が払っているガス代が適正かどうか」を確認する
- 適正価格より高い場合、比較データを持って大家・管理会社に相談する材料にする
- 次の物件を探すときに「都市ガスか」「ガス会社を選べるか」を確認事項に加える
都市ガスの場合、都市ガス利用の建物であれば、戸建てでも集合住宅でも新しいガス会社との契約ができる場合があります。電力会社の一括受電問題と同様に、物件によって条件が異なる場合があるため、管理会社・大家への確認をおすすめします。
プロパンガス利用者の見直し方
プロパンガスは、自由料金制のためガス会社が自由に料金を設定できます。そのため、同じ使用量でもガス会社によって料金が大きく異なります。
適正価格で利用できている家庭は全体のわずか5%。残りの95%の家庭は、適正価格より高い平均価格で契約しているとも言われています。これは、比較や交渉によって見直せる余地が大きいことを意味します。
プロパンガス利用者がまずやること
- 検針票で使用量と金額を確認する
毎月届く検針票(または明細)で、ガスの使用量(㎥)と請求額を確認します。 - 比較サービスで適正価格を確認する
プロパンガス 比較で検索すると、地域・使用量から適正価格の目安を確認できるサービスがあります。プロパンガス料金消費者協会の公表データも参考になります。 - 持ち家の場合はガス会社の乗り換えを検討する
持ち家であれば、プロパンガス会社を変えることが可能です。比較サービスを使うと、地域の複数社から見積もりを取ることができます。 - 賃貸の場合は大家への相談を検討する
自分の払っているガス代がこのくらいの水準という比較データを持って、大家・管理会社に相談することができます。必ず改善されるわけではありませんが、交渉の材料になる場合があります。
一点、重要なことをお伝えします。
プロパンガスは、電気・都市ガスを対象とした料金負担軽減支援事業(補助金)の対象外です。電気・都市ガスを使っている方が補助金の恩恵を受けられる期間でも、プロパンガス利用者はその対象にならない場合があります。プロパンガスを使っている方は、補助金による恩恵を想定せずに光熱費を考える必要があります。
なお、一部の地方自治体では、プロパンガス利用世帯向けに独自の補助金を実施している場合があります。お住まいの市区町村の情報も確認してみてください。
都市ガス利用者の見直し方|2017年自由化で選択肢が増えた
2017年の都市ガス自由化以来、契約者は自由に都市ガス会社を選べるようになりました。電力自由化(2016年)と同様に、大手ガス会社(東京ガス・大阪ガス・東邦ガス等)以外の新しいガス会社(新ガス会社)と契約できるようになっています。
乗り換えても安全性・品質・供給の仕組みは変わりません。
ガスを届けるインフラは従来のガス会社と同じ設備を使います。
対応エリアについての注意
都市ガスの新ガス会社は、全国どこでも選べるわけではありません。
大手都市ガス会社の供給エリア(東京ガスエリア・大阪ガスエリア・東邦ガスエリア等)に限られています。地方・郊外でプロパンガスを使っている方は、そもそも都市ガスに乗り換えること自体が別の話になります(引き込み工事が必要で費用が発生します)。
主な都市ガス乗り換えサービスの例
都市ガスの乗り換え先となる主なサービスをいくつか紹介します。どれが一番いいという断定はしません。使用量・エリア・重視するポイントによって向いているサービスが変わります。
なお、料金・対応エリアは変更される場合があります。申し込み前に公式サイトの最新情報をご確認ください。
供給エリアは東京ガスエリア・京葉ガスエリア・東邦ガスエリア・大阪ガスエリア。都市ガス利用の建物であれば戸建てでも集合住宅でも契約できます。ガス工事は不要で手数料も発生しません。
従量料金が安い設計のため、ガスをたくさん使う世帯ほど割安になりやすい料金体系。一人暮らしで使用量が少ない場合は、基本料金との兼ね合いで試算してから検討することをおすすめします。
基本料金が安いため、ガスの使用量が少ない一人暮らしでも節約効果を得やすい料金体系。電気とのセット割も展開しています。東京都内を中心に展開しており、電気ガスをまとめて契約できるサービスとして人気があります。
全国に展開するエネルギー企業ENEOSのガスサービス。電気とのセット割や、ポイントプログラムとの連携が特徴です。
電気とガスを同じ会社でまとめると割引が受けられるセット割は多くのサービスで提供されています。ただし、セット割が適用されるからといって必ずしもトータルで最安とは限りません。電気とガスをそれぞれ最安の会社で別々に契約したほうが安くなるケースもあります。



セット割の魅力に引っ張られて判断するより、電気とガスそれぞれを個別に試算してから比較することをおすすめします。
都市ガスの乗り換え手順
都市ガスの乗り換えは、電気と比べて一点だけ異なります。開栓作業の立ち会いが必要な場合があります。
STEP 1|現在のガス使用量を確認する
検針票で月々の使用量(㎥)と請求額を確認します。比較の基準になります。
STEP 2|比較サービスまたは各公式サイトで料金を試算する
エリア・月間使用量を入力すると、現在の料金との差が確認できます。
STEP 3|乗り換え先のガス会社に申し込む
公式サイトから申し込みます。旧ガス会社への解約連絡は、新ガス会社が代行してくれる場合が多いです。
STEP 4|開栓作業の立ち会い(必要な場合)
新しいガス会社の担当者が自宅に来て開栓作業を行う場合があります。電気の乗り換えにはなかった立ち会いが必要な点が電気との最大の違いです。日程調整が必要なため、余裕を持って申し込むことをおすすめします。
STEP 5|切り替え完了・初回明細を確認する
切り替え後の初回明細で料金変化を確認します。
電気とガスをまとめて見直す視点
電気代の見直しとガス代の見直しを合わせて取り組むと、光熱費全体の変化が把握しやすくなります。
電気とガスは互いに関係しています。どちらを先に変えるか・セット割を使うかどうかという判断は、両方を見た上で考えると整理しやすいです。




まとめ
ガス代を見直す最初の一手は、自分の家が都市ガスかプロパンガスかを確認することです。
- 都市ガスなら:新ガス会社への乗り換えを比較サービスで検討できます
- プロパンなら(持ち家):ガス会社の比較・乗り換えが選択肢になります
- プロパンで賃貸なら:比較で適正価格を把握し、大家への相談材料として活用できます
どのケースでもまず現在の使用量と料金を把握することが出発点です。




